嘘と本音と建前と。

司の家の門の前に座り込んでいる人影があった。


制服からして楓だろう。


駅の方へ引き返そうと家に背を向けた。


タイミング悪くブレザーが振動する。


通知は見ずともだいたいわかる。


司はポケットに手を入れ、スマートフォンの電源を切った。


楓を確認するとスマートフォンを耳に当てて貧乏揺すりをしていた。


幸い司のことは気付いていない。


司は駅前のカフェにふらりと入った。


立ち込めるコーヒーの香りがここでの思い出と混ざった。


ここのカフェは兄の友達の萌々香の両親が経営していて何度か連れて

行かれたことがある。


全体的に木で作られた店内をオレンジ色の電球が照らしている。


ゆったりめのクラシックが内装と統一感がある。


木の棚にやけに不釣り合いな兎のぬいぐるみが飾ってあった。