嘘と本音と建前と。

「えっとサイン、コサイン、タンジェントのとこです。」


そこの範囲は2年でまだ触れていないところだった。


1年生の頃、空知が散々な点数をたたき出し留年の危機だったのは

ここだったと思う。


「じゃあ教えるからルーズリーフ持ってる?空知、時間かかり過ぎ。」


香織がスクールバックから100枚入りのルーズリーフを出した。


「染谷さんちょっと待っててね。待ってる間に問題集のできるところ

してて。」


空知のルーズリーフを見ると必死さは伝わってきた。


汚い字で何度も解き直している様だった。


「公式を使おうとしてるけどここは公式を使う前に因数分解。

すると?」


唸りながら書き込む筆跡から不安が滲んでいた。


因数分解が解けなければお話にならない。


「あってるあってる。で、そうするとここの公式にいれられるでしょ。」


空知は解き方がわかればあとはすらすらと自分で解いていってくれる。


空知は変換が苦手なのだ。


「じゃあ、次は染谷さん。」