嘘と本音と建前と。

好きで当てている訳では無いのに気まずさから中吊りに目をやる。


新しい紅茶が出たとか芸能人の不倫疑惑だとかそんなことが書かれている。


能天気でおめでたい話だ。


そんな気分になれない司はガラスに映る白黒の自分を見た。


相変わらずつまらなさそうな顔をしていた。


電子的なアナウンスが流れた。


次の駅がターニングポイントととなる。


次の駅は乗り換えがあるため、少しの人が降りて大量の人が

押し寄せてくる。


ぎちぎちの車内に加え、一定の区間内は揺れが激しくなる。


司はため息をついた。


ドアの開音と共にヒールの音やらスニーカーのゴムの音やらが

重なって聞こえた。


これでもかと背中にのしかかる誰かの体重で司は前に倒れそうになる。


腕よりも体が前のめりになる。