嘘と本音と建前と。

「染谷さんはさ、空知のことどう思う?」


司が窓の外に見える遠くの山を見据えている。


香織はすぐ側の外周をしている生徒を眺めた。


その中に空知ももちろんいる。


「1回会って話しただけですけど、かなりいい人ですよね。」


司が守りたくなるぐらいだからという軽口は飲み込んだ。


「だよな。」


司は何を期待してそんな質問をぶつけてきたのだろうか。


空知とはどうもならない裏契約の元、出会っている。


むしろ諦めさせてくれという依頼で間違えないはずだ。


「座ろうか。」


司が窓を閉め、ブラインドまでしめた。


香織は言われた通りおとなしく座る。


司の細い指先が木製の椅子を引く。