嘘と本音と建前と。

「兄が関西の大学に行ってるからね。」


素直に答えると香織はため息をついた。


目に見えて肩を落とす。


「バレないと思ったんだけどなぁ。」


同じ毛先に何度も指を通した。


「言われたことないの?」


出会ってから間もない司に気付かれてしまったのだからきっと

香織のクラスの人も気付いているはずだ。


「あたしあまり話す方じゃないですから。」


司はすかさず眉間にシワを寄せた。


話す方じゃないにしたってクラスの人は香織の何を見ているのだろうか。


「関西弁嫌いなの?」


司はセーターの袖をのばしながら何気なく聞いてみた。


「嫌いじゃないですけどキツく聞こえるから。」