嘘と本音と建前と。

すかさず空知を交わすと再び図書室の方を見た。


まだ黒い影がこちらを見ている。


影は窓に片手で触れ、何かを言いたそうにも見える。


司はそれが香織であろうことに気付きながらも手さえ振らず睨みあげる。


「早く帰ろう。」


司はゆっくりと自転車を漕ぎ出し、慌てて空知がついてきた。


次の日の放課後、司は誰もまだ場所をとっていないで

あろうテーブルを独占した。


今日で2度目となる香織との約束への躊躇いを隠し、

涼しい顔で本の開いた。


「遅れてすみません。」


息を切らしているのを隠しながら香織が司の前の席に座った。


図書室の時計を見るとたいして待ってはいなかった。


掃除だったのだろうかと思う程度だ。


香織は息を整えてから肩を狭め、頭を下げた。