昼休み、
彼女がいた場所へ行ってみたら、
壁に小さい犬の絵が描いてあった。
どうやら汚れのシミが、犬の目と鼻に
見えたようで、輪郭と耳を付け足し
犬の顔になっていた。
ぷぷぷっっ
シミを見た途端、
『これは犬だ!!』
とひらめいたんだろうな……。
描き終わった後の、満足げな笑顔を思い出し、
俺も笑みがこぼれてしまう。
仁と、仁の妹の会話から、彼女の名前を知った。
藤倉はる。2年E組。
いつの頃からか、見かけるだけでなく、
自分から目で探すようになっていた。
自分を飾らず、素のままをさらけ出す彼女から、
目が離せなかった。
