「柚木、今度の土曜日空いてる?」


白色のくまのストラップを指で弄っていた私は顔を上げる。


「え?」


そこには悲しそうな瞳をした蓮が、居た。


ズキン


瞳の奥にあの二人が映る。


胸に痛みが走る。


頭も痛い。


蓮は、あの人とどういう関係なの?


今にも乾いた口から出そうだったのを、呑み込むようにして無いことにした。


そもそも、蓮は私があれを見たことを知っているのだろうか。


「……」


どう答えれば良いのか分からなかった。


うつ向くと、机の上には笑顔のくまがこっちを見てて。


「……うん、大丈夫。」


少しだけ嬉しそうに笑う蓮。


トクン