息を吸って、吐く。


誰かが一番落ち着くと言った方法。


それでも私の鼓動は忙しなく動いている。


「ごめん、お待たせ。」


心の中で何度も繰り返した言葉が音になって光る。


「あ、おはよう。待ってないよ、さっき来たばっか。」


振り返る蓮はいつも通りの笑顔。


「行こっか。」


当たり前の様にふたりの手が繋がる。


……あった‥かいな