2人の姿が海里と被って、なんだかやけにイラついた。
「ナンパ?そんなの、面倒だしするわけねーじゃん。だいたい、黙ってたって向こうからいくらでも寄ってくるし。それに、俺はこう見えても一途だよ」
長谷川君がおどけたように笑う。
ウソだって丸わかりのふざけた態度にまたイライラした。
「ふーん、それはおめでたいことで」
一途だとかナンパしてないだとか、正直長谷川君のことなんかどうでもいい。
興味もないし。
「ふーんって、冷たいな、相変わらず」
「長谷川君がそうさせてるんでしょ」
「ま、そういうことにしといてやるよ。ヒマなんだろ?一緒に来る?」
なんだかすごく上から目線なんですけど。
それに、ヒマって……。
勝手に決めつけてるし。
「なんで長谷川君なんかと」
一緒に行かなきゃいけないの?
危険な香りしかしないんですけど。
「べつに変なことしないよ?俺にだって選ぶ権利はあるし」
「なっ……」
なに、この人。
ほんと失礼なんだけど。
相変わらずヘラヘラして、掴みどころがないし。
でも、どうしよう……。
このままここを出ても行く当てなんかないし、家に帰るのも嫌だ。
亜子ちゃんといるのも苦しくてツラい。
だったら、着いて行くべき?
でも。



