キミに捧ぐ愛



そんな中、キョロキョロし始めた亜子ちゃん。


この様子からすると誰かを探しているんだろうけど、これだけぎゅうぎゅうに人が詰まっていると見つけるのはかなり大変そう。



「誰を探してるの?」



1人より2人で探した方が効率がいいと思って聞いてみた。


あたしの知らない人である可能性もあったけど、泣きそうになっているということは……。



「太陽と長町君」



「え……?」



ライトがちょうど亜子ちゃんの顔を照らすと、その顔には涙が浮かんでいた。



「太陽君と海里?」



待ってよ、意味がわからない。


太陽君の名前が出ることは予想してたけど、海里はまったくの想定外。



「夏休みに入る少し前くらいかな。2人がここに出入りしてるってウワサがあってね」



事態を飲み込めていないあたしに、亜子ちゃんが説明を始める。


嫌だ。


聞きたくない。


何を言われるかもわからないのに、瞬時にそう思った。



「ナンパしたり、言い寄って来た女の子と毎晩のように浮気してるって」



亜子ちゃんの声は、周りの音楽に負けないくらいはっきりと耳に届いた。