今まで曖昧にして来たけど、こんな状態がいつまでも続くわけがないってことは、頭のどこかでわかっていた。
いつかはちゃんと向き合わなきゃいけない。
だけど、そのいつかは今じゃなかった。
少なくとも、あたしの中では今じゃなかった。
向き合ったら海里とあたしに終わりがくることが目に見えていたから、それを突き付けられたくなかった。
本当はわかってた。
海里の気持ちがあたしから離れていってることも、歩美と会ってることも。
だけど失いたくなかったから、あたしは向き合うことから逃げて来たんだ。
ひとりぼっちになるのは嫌だよ。
……寂しいよ。
「如月さん」
「な、に?」
「顔上げてみれば?星が綺麗だから」
「星……?」
見上げるとそこには、キラキラと無数の星が輝いていた。
「ほんとだ……」
すごく綺麗。
うつむいてばかりいたから、気づかなかった。
長谷川君は何も聞いたり言って来ることなく、ただ黙々と黙り込むあたしのそばにいてくれた。