キミに捧ぐ愛



「じゃあ」と背を向けてその場を離れようとしたけど、こんな気持ちのまま部屋に戻りたくない。


こんなざわついた心で愛想笑いを浮かべていられる自信も、うまく話せる自信もない。


とにかく……静かな場所に行きたい。


そう思ったら、足が止まってしまっていた。



「ちょうど暑いなって思ってて。外に涼みに行くけど、一緒に行く?」



何かを察してくれたのか、長谷川君があたしの隣に立ってそうつぶやいた。


答えられずにいると、返事を急かしたりムリに連れ出そうとするでもなく、長谷川君はゆっくり歩き出した。


振り返ることなく、ただまっすぐに。


その背中はついて来いと言ってくれているようで、トボトボ後ろをついて歩いた。