立ち上がってひと気のない場所まで行こうとしたところで、電話の向こうから声がした。
「なにって……わかるでしょ?海里は、あなたより私が好きなんだって」
その言葉に、思わず足が止まった。
あたしより……歩美が好き?
海里がそう言ったの?
息が止まりそうになる。
胸の奥がヒリヒリ痛い。
「私も海里が好きなの。お願いだから……もう別れて下さい」
なに……それ。
なんでそんなことをあなたに言われなきゃいけないの?
悔しくてさらに涙が出た。
海里はもう……あたしのことを好きじゃないんだ?
あたしより……歩美が好きなんだ。
「お願いします……っ別れて下さい」
歩美は電話口で泣いていた。
必死に涙を隠しているあたしとは違って、飾ることなくありのままにぶつかって来る。



