キミに捧ぐ愛



自分のことをよく知りもしない人に知られるのは、苦手なんだよ。


ましてや、ポーカーフェイスで掴みどころのない長谷川君だよ?


「あは、ごめんごめん!」


可愛く舌を出して謝るみっち。


かまどの方からはもくもくと煙が上がって、どの班もしっかりと火がついたみたいだった。



「それより、準備出来た?鍋持ってって大丈夫?」



具材が入った鍋のフタを開けて中を覗いた長谷川君に、あたしは小さく頷いてみせる。


カレーが入った大鍋を長谷川君が、飯ごうをあとからきた綾瀬君が持って行ってくれた。



「あとは男子に任せて、うちらはゆっくり涼もう!煙くさくなるのはカンベンだしー!結愛っちの恋バナの途中だしー!」



いち早くその場に座り込んで、うちわでパタパタ扇ぎ始めたみっち。



手伝わなくていいのかな?


任せちゃって怒られない?



海里だったら、こんなことは他人任せで絶対にしないだろうな。


マイペースだから、班で行動するのも嫌いだろうし。


海里に……会いたいな。


寂しいよ。



トイレに行くフリをしてスマホを見たけど、海里からの連絡はなかった。