「綾瀬だよ、綾瀬 玲司!」
「ああ、綾瀬君ね」
そっか。
下の名前を知らなかったから、誰だかわからなかった。
綾瀬君は長谷川君や辰巳君と一緒にいる目立つ部類の男子。
たとえるなら、黒髪で爽やかな青少年って感じ。
「大翔っちとリュウっちと玲司とは、中学が同じなんだ〜!」
みっちはニコニコしながら綾瀬君のことを話し出した。
綾瀬君とは中2の頃から同じクラスで、ずっと片想いしてるんだとか。
話の流れからすると、リュウっちっていうのはどうやら辰巳君のことらしい。
ダメだ。
クラスメイトの名前を覚えてないから、下の名前を出されたらわからない。
ちゃんと覚えなきゃね。
そんなことを思いながら、切った野菜を鍋の中に投入した。



