「顔色良くなったな。もう大丈夫?」
トントンと肩を叩かれたかと思うと、長谷川君がニッコリ笑って言った。
「あ、うん。さっきはありがとう」
本当にツラかったから、長谷川君の気遣いが心から嬉しかった。
「どういたしまして」
爽やかに笑った長谷川君は、あたしが思うほど冷たい人じゃないのかもしれない。
だけどふとした時に見せる表情に違和感を感じるのも確かで。
「ツラいなら、座っててもいいよ。俺らだけでできると思うし」
「大丈夫だよ。もうほとんどスッキリしたから」
「そう?あんまムリすんなよ。途中で倒れられても困るし」
長谷川君はそう言って辰巳君のところへ行ってしまった。
優しいんだか優しくないんだか、よくわからない人だ。
それから班での野外炊事が始まった。
かまどは主に男子が担当して、女子はお米を洗ったり野菜を切ったり。
「結愛っち、マイ!あたしね、今日こそ玲司(れいじ)に告白する!」
にんじんを切りながら、握り拳を作って覚悟を決めるみっち。
「玲司って誰……?」
「頑張れー」と応援するマイの横で、あたしは首を傾げた。



