鼓動がドクンドクンと音を立てる。
あたしにはしてくれないくせに……っ。
張り裂けそうなほどの胸の痛みに、歯を食いしばって必死に耐えた。
なんで
……嫌だ。
「好き……なの?」
驚くほど冷静な声が出たことに自分でビックリする。
ここで泣いたら面倒な女だと思われる。
そんな思いが、溢れそうになる涙をギリギリのところでせき止めていた。
「うんって言ったら、俺と別れんの?」
いつだって海里はズルくて、こんな聞き方をされても答えられるわけなんてないのに。
あたしが別れたいなんて思うはずないじゃん。
だけど言えない。
海里が歩美を好きなら、あたしは泣いてすがったりなんかしない。
ツラいけど潔く身を引く。
そうすることを、海里はきっと望んでるから。
こんな時でもあたしは、海里に面倒な女だと思われないように必死。
はは……バカみたい。
「海里が……そうしたいんなら」
そうとしか返せなかった。
だって、あたしには引き止めることなんて出来ない。



