まだ夕方だというのに鮮やかなモスグリーンのカーテンが引かれた部屋の中は、薄暗くて目があまり慣れないせいかよく見えない。
角部屋のおかげで西日がキツい海里の部屋は、夏は基本的にカーテンが引かれている。
ローテーブルの上に買って来たジュースを置いて、さらにビニールを漁ってお菓子を取り出す。
「サンキュー。ちょうど喉渇いてたとこ」
「お菓子もあるからね」
テーブルの近くのラグの上に座って、自分用に買ったオレンジジュースのフタを開ける。
良かった。
いつもの海里だ。
何も変わらない。
あたしたちは、何も変わってない。
きっと、ずっとこのままでいられる。
「そういえば、さっきすっごい可愛い子とすれ違ったよ」



