ヒロトと一緒にいると、すごくドキドキして、胸が締め付けられる。
「ヒロトは欠陥人間なんかじゃない。人の痛みがわかる優しい人だよ。優しくて、寂しくて、でも時々冷たくて。あたしは……そんなヒロトのことが……っ」
いつの間にか好きになってた。
惹かれてた。
「ヒロトは、あたしのこと……どう思ってる?」
「ん?好きなんじゃないのかよ?ユメがそう言ったんだろ」
「そ、そうだけど。ヒロトの口からちゃんと聞きたいの」
だってやっぱり、言ってくれなきゃわからないから。
「ワガママなお姫様だな」
「う、だ、だって……気になるもん。好きだから」
そういうもんでしょ?
「マジで煽るのもウマいし」
耳元で聞こえた甘い囁きにドキンと鼓動が跳ねた。
「そ、そんなつもりは」
「煽ってないんだ?じゃあ無意識?誰にでもそういうこと言ってんのかよ?」
ギュッと抱き締める腕の力が強まる。
ヒロトは怒っているようだった。