恥ずかしいけど、一歩前に出てヒロトの手をギュッと握った。
それでもポカンとしてるから、なんだかあたしばっかりが恥ずかしくなって思わずうつむく。
「あ、あたしは……好きだよ。ヒロトのことが」
ドキンドキンと胸が高鳴る。
自分から好きだとか言うようなキャラじゃなかったのに、ヒロトの前では自然と言葉が出てしまう。
隠しきれないの。
ううっ。
恥ずかしいよ。
でも、伝えたい。
「昨日……あたしといると、ドキドキするって言ってくれたよね?」
恐る恐る顔を見上げる。
ヒロトは、とても優しい眼差しであたしを見下ろしていた。
「確かに……言ったな」
「それって……多分、あたしを好きだからだと思うよ」
いつからこんなに自意識過剰になったんだろう。
「ヒロトに抱き締められると、あー幸せだなって思えるの。落ち着くし、安心できる」
「うん……俺も、ユメといるとすっごい落ち着く。こんな気持ち、生まれて初めて」
手をギュッと握り返されて、そのまま引き寄せられる。
あっという間にヒロトの胸に顔を埋める体勢になった。