あたしとお母さんは、抱き合いながら2人でたくさん泣いた。
「これからは一緒にお出かけしたり、料理だってきちんと教えるわ。人様の前に出しても恥ずかしかないような立派な娘にしてみせる」
「お母さん……っ」
「それと門限も決めるわね。無断外泊もダメよ。男の子と遊ぶ時は、前もって教えてちょうだい」
「おいおい、結愛にだけ厳しすぎないか?」
パパが苦笑した。
「当然よ。結愛ちゃんは女の子なんだから」
心の距離を埋めるのは難しいかもしれないけど、あたしはもう本音を隠したりなんかしない。
感情のままに言いたいことを言って、本音でぶつかりながら生きて行く。
言わなきゃ、何も伝わらないってわかったから。
大丈夫。
あたしたちは、まだやり直せる。
「今から家族みんなで、ご飯でも食べに行こうか」
パパがニッコリ笑いながら言う。
あたしは、迷わず大きく頷いた。