泣きそうになってたなんて。
「姉ちゃんクールだから、どう関わればいいかわからなかったんだと思うよ」
ウソだと思いたかった。
母親があたしを心配していたなんて。
だって、そう思わなきゃ今まで必死に諦めて来たものがまた欲しくなる。
求めてしまう。
愛されたいって。
「俺も思ってることぶつけるから、姉ちゃんもぶつけてみれば?」
3個も年下の広大は、あたしなんかよりも遥かに大人で。
周りが見えていなかったのは、もしかするとあたしの方だったのかもしれない。
電車を降りて複雑な気持ちのまま家に帰った。
玄関のドアを開けると、パタパタとスリッパを鳴らして母親が走り寄って来る。
母親は広大とあたしの顔を交互に見るなり、目を真っ赤にして泣き出した。
「結愛ちゃん、広ちゃん……っおかえり。おかえり」
広大はプイと顔を背け、母親をムシして行ってしまう。



