ドキンと鼓動が鳴る。
目を合わせているのが耐えられなくて、思わずうつむいた。
止まらなくなるって……。
カーッと顔が赤くなる。
その時、バンッと勢い良くドアが開いて肩がビクッと震えた。
そこから広大が飛び出して来て、一瞬驚いた顔をするとあたしに抱きつくヒロトの腕を掴んだ。
「姉ちゃんに触んなっ!」
「こ、広大」
今にも殴りかかりそうな勢いの広大に、あたしは自らヒロトと離れた。
「ちっ」
え?
今、舌打ちした?
振り返ったけど、ヒロトはあたしと目が合うとニッコリ微笑むだけ。
……空耳だったのかな?
「姉ちゃんごめん。俺、姉ちゃんの気持ち、なんもわかってなかった」
「ごめん」と、眉を下げてかすれる声で言う広大に小さく首を振る。
「あたしも悪かった。八つ当たりしてごめんね」
「姉ちゃんは悪くないから。俺がバカだったよ。けど、母さんのことは許せない」
「うん。でも、心配してるから家に帰ろ?」
「……うん」
消え入りそうな声で頷いた広大の頭を豪快に撫でる。
「やめろよ」と照れくさそうに笑う広大を見て、思わずクスッと笑ってしまった。



