「待てって」
廊下を突っ切って外に続くドアの取っ手に手をかけた時、グイッと腕を引かれて振り返らされる。
追いかけて来るだろうって気はしてたけど、今はあんまり顔を見られたくなかった。
「なんで逃げるんだよ」
「だ、だって……みっともないとこ見せちゃった」
「みっともなくないよ」
ヒロトは優しく笑いながら、あたしの体を引き寄せる。
逞ましい腕にすっぽり覆われて、なぜだか安心感が胸に広がって行く。
なんでだろう。
こうして抱き締められてると落ち着くのは。
ドキドキするけど落ち着く。
それは……ヒロトだからかな。
「あたし……バカだよね」
ヒロトの胸に顔を埋める。
スラッとしてるのに、胸にはしっかり筋肉がついていて改めて男だと思わされた。



