「後輩に探させてたんだよ。だから大丈夫って言っただろ」



わけがわからず戸惑うあたしに、ヒロトの冷静な声が飛んで来る。


……そっか。


後輩君が広大を探しているのを知ってたから、大丈夫だなんて言えたんだ。


それならそうと、もっと早くに言ってくれたら良かったのに。


とりあえずホッとした。


広大はあたしに気づくと、目を大きく見開いた。



「なんで……いんだよ?それに、なんなんだよこいつら。わけわかんねーよ」



広大の瞳が戸惑うように揺れている。


逃げる気力を失ったのか、もう暴れてはいなかった。


それよりも、あたしを見て驚きの方が大きいんだと思う。



「さっきぶつかったんだけど、気づかなかった?広大だってわかって追いかけたの。ねぇ……毎日どこで何やってんの?なんで帰って来ないの?」



ゆっくり広大の方に向かって歩いて行く。


前までの可愛らしい面影がなくなってしまった広大。


いつもニコニコ笑ってたのに、いつからそんな寂しい目をするようになったんだろう。