そりゃあたしだってドキドキしてるけど。
でも、そうやって淡々と冷静に言われてもホントだとは思えない。
だけど、ウソにも聞こえなくて余計に戸惑う。
「ユメが男に告られた時も、ホントはすっごいムカついてさ。あの男と付き合うって考えたら、イライラして眠れなかった」
えっ!?
イライラして眠れなかった?
あの時変な男に引っかからないか、心配してくれてただけじゃなかったの?
「元彼のことだって……未練ありまくりなんだって考えたら、イライラして。頭の中、お前のことでいっぱいになって、苦しくて……」
切なげな声に胸が締めつけられる。
「なぁ。この気持ち……なんだと思う?」
ーードキンドキン
「ユメとこうしてたら、胸の奥から温かい気持ちが溢れて来て……すっげー落ち着く。初めてなんだよ、こんな気持ちになるの」
『なんだと思う?』耳元で再びそう囁かれて、あたしは真っ赤になりながらうつむくしかなかった。