耳にかかる吐息が、触れ合う全身が、ヒロトを意識しすぎてクラクラする。
ゆるふわパーマの髪が頬をかすめたと同時に、色気のある熱のこもった瞳と目が合った。
上から見下ろされる形になり、あとほんの数センチで唇が触れ合いそう。
「な、なにする……っ」
「お前が悪いんだからな」
え……?
囁くような声が耳元で聞こえたかと思うと、そこからはホントに一瞬だった。
「んっ」
気付くと、ヒロトに唇を塞がれていた。
柔らかいその感触に目を見開いたまま固まる。
な、に……?
なにが起こってんの?
意味が……わからないよ。
慣れたように目を閉じているヒロトを見て、なぜだか胸が締め付けられる。
誰にも本気になれない。
好きとか愛とか、よくわからない。
前にそんなことを言っていたのを思い出した。
好きじゃなくても、愛がなくても、ヒロトは誰にでも簡単にこんなことが出来ちゃうんだ。



