キミに捧ぐ愛



だけど、大きくて逞しい腕があたしの体を支えてくれたから倒れずに済んだ。


耳にかかる吐息と密着する体。


すぐそばに感じる体温に鼓動がドキッと鳴る。


な、なに……?


誰?



「なにやってんだよ?」



「え?」



はぁはぁと肩で呼吸をするあたしの耳に、低く冷静な声が響く。


振り返るとそこには、真剣な表情で細い路地の奥を見据えるこれまた知った顔。



「ヒ、ヒロト……っ」



相手がヒロトだと知って、ドキドキが一気に加速する。


掴まれた腕もジンジン熱くて、頭がクラクラするよ。


こんな時なのに、完璧意識しちゃってる。



それにしても、なんでヒロトが……。


って、考えてる余裕なんてあたしにはない。



「は、離してっ!大事な用事があるの!」



今追いかけなきゃダメなんだ。