「結愛ちゃーん!!」
ビューっと風が吹き荒れる中、亜子ちゃんがあたしに気付いて大きく手を振る。
赤のチェックのマフラーと愛嬌のある可愛い笑顔に、通り過ぎて行く同級生や先輩たちがちらちら見ていた。
そんな中、あたしは大急ぎで亜子ちゃんの元へ駆け寄った。
突き刺さるような視線が痛い。
男子からの視線には好意がこもっているけど、女子からは悪意しか感じない。
でも、今はもうなんとも思わない。
信じてくれる人がいるから。
「ごめんね、お待たせ」
「いえいえ、今来たとこだよ」
夏に会った時はボブカットだった亜子ちゃんも、今では肩に付くくらいまで髪が伸びた。
それ以外は特に何も変わっていない。
相変わらず可愛いな。
「今日はねー、甘い物でも食べに行こ」
「甘い物?」
「うん、ケーキバイキングの券があるからさ!あ、甘い物嫌い?」
亜子ちゃんは、訊き返したあたしに不安気な顔をしてみせる。
行く前に確認してくれたのは今日が初めてだ。



