「べつに、どうもしないよ」 プイと目をそらされ、ヒロトは前を向いた。 その横顔は、やっぱりまだ不機嫌そう。 カン違い……。 なんだ。 やっぱりそっか。 だよね。 そうだよね。 うんうんと自分に言い聞かせ、次の授業の準備を始める。 少しだけ胸がチクッと痛んだことには、気付かないフリをして。 この気持ちが何なのか、きっとこの時にはもう気付いてた。 なんでこんなにも気になるのか。 どうしてヒロトにドキドキするのか。 あたしは自分の気持ちに向き合うことから逃げてしまってたんだ。