キミに捧ぐ愛



「まだ電車大丈夫だろ?もう少しいれば?それとも、俺と2人でいるのはやだ?」


「え?べつに嫌じゃないよ」


逆にありがたいくらいなのに。


「あんまり家に帰りたくないから、もう少しいようかな」



「あー、わかる。帰りたくないのは俺もだし」



「え、あ、そうなんだ?」



ヒロトも帰りたくないんだ?


何かあるんだろうなとは思ってたけど、うちみたいに家庭環境が複雑なのかな?


聞きたいけど、聞けない。


興味本位で人んちのことに首を突っ込みたくないし、逆に突っ込まれたくないからヒロトの気持ちが誰よりもわかる。


もしかすると、ヒロトもあたしに突っ込まれたくないから聞いて来ないのかもしれない。



「アイス食う?」



「アイスなんてあるの?」



「今から買いに行く」



「ホント?じゃああたしも行くよ」



「じゃあ一緒に行こうぜ」



床に投げ出していたカバンを取ろうと屈んだ時、伸ばした手をヒロトに掴まれた。


そのまま立ち上がらされて「行くよ」と強引に引っ張られる。