ど、どうしよう。
なんて思っていたけど、トイレから戻って来た長谷川君はいつもの長谷川君だった。
「ん?どうしたの?」
不安がるあたしに、首を傾げて笑っている。
怒っていたと思ったのは、あたしの思い過ごしだったのかな。
なんだ、良かった。
「何でもないよ。辰巳君も行っちゃったし、あたしたちももう帰る?」
散らかったテーブルの上を片付けながら、長谷川君に問う。
あんまり帰りたくないけど、ずっとここにいるのも変だし。
「んー、ユメ次第かな」
「え?」
しれっと言った長谷川君を、マジマジガン見してしまった。
ユ、ユメって言った……?
「竜太も名前で呼んでんだし、いいよな?俺のことはヒロトでいいから」
「あ……うん」
なぜかスネたように言う長谷川君……ヒロトの横顔を見ながら頷いた。
ヒロトは心のどこかであたしに一線を引いていると思っていたから、この申し出はホントにビックリだった。
いったい、どういう心境の変化?



