こんなのって……ないよ。
なんで……?
どうして?
どれくらいそうしていたんだろう。
わからないけど、ほんの1〜2分だったんだと思う。
目の前にはUFOキャッチャーを楽しむ2人の姿があって、ショックで一歩も動けなかった。
そこへ前を歩いていた長谷川君がやって来て、あたしの腕を引っ張った。
泣き顔を見られたくないとか、泣いているのを知られたくないとか。
弱いところを見せたくないとか。
そんなことを考える余裕なんてなかった。
それくらいショックで、涙を止めようと思えないほど胸が痛くて仕方なかったから。
長谷川君は2人を見るあたしの視線に気付いていたはずなのに、何も聞いては来なかった。
何も言わずにあたしの腕を引いて電車に乗り、気付けばいつもの溜まり場のソファーに座らされていた。
頭にあるのはあの2人の姿だけ。
それ以外にはなにも考えられない。
早く忘れたいのに、いつまであたしを苦しめたら気が済むの?



