「違うの……っいいの。今はそっとしておいてあげて……っ」
「なんで……っ」
肩を震わせて泣く母親が心底嫌になった。
なにそれ。
なんなの、それ。
何がいいの?
風大だって、毎日ビクビクしたような顔をして怖がってるのに。
それなのに、よくそんなことが言えるよね。
これじゃあまるで……追いかけようとしてるあたしが悪いみたいじゃん。
そんなに広大が大事?
ここでも、あたしは邪魔者なんだ?
「もう、いいよ。知らない」
もういい。
もう、どうでもいい。
そう思うのに、喉の奥がカーッと熱くなって視界がボヤける。
泣きたくなんかないのに目頭が熱くなって、瞬きをするとこぼれ落ちそうだった。
荒れた室内も、すすり泣く母親の姿も、泣きそうになってる自分も……何もかもが嫌だ。



