キミに捧ぐ愛



それにしても……気まずい。


何か話した方がいいのかな?


でも、何を?


共通の話題なんてない上に、極度の人見知りなあたしには会話なんて思い付かない。


つまらない奴だよね。


それは自分でもわかってる。


こんな時でも、あたしは辰巳君の顔色をうかがってしまっているんだ。


幼い頃からの癖が抜けず、嫌われないようにどんな態度を取ればいいかとっさに考えてしまってる。


……バカみたい。


そう思うのにやめられない。


こんな自分、ほんとに大嫌いだ。



「んなビクビクしなくても、襲ったりしねーって。もっと気楽にしてろよ」



「え?」



お、襲う……?


辰巳君の口から出た言葉にポカンとする。


そんなこと、一切考えてなかったんだけど。


だって、あたしたちにはそんな雰囲気になる理由もない。



「怖がってたんじゃねーの?それとも、襲われること期待してた?」


「な、なに言ってんの!そんなわけないでしょ!」



バカじゃないの。


どっからそんな発想が出てくるわけ?


思わずムキになって言い返した。



「だってお前、危機感ねーし。普通、知らない俺にホイホイついてくるか?」



辰巳君はバカにしたようにフッと笑った。


信用していない目だ。



「それは辰巳君が誘ってくれたから。あたしは……そういうことは、ほんとに好きな人としかムリ。っていうか、嫌だ」


ホイホイついてきて、軽い女だって思われちゃったかな。


でもね、女ならみんな辰巳君になびくと思ってもらっちゃ困る。


あたしは……逃げたくてここに来たんだから。