数日後。
家に居たくなくて久しぶりに亜子ちゃんに会った。
「そっか……長町君と別れたんだね」
昼間のファミレスで、あたしたちはご飯を食べるでもなくぼんやりしながら過ごしていた。
悲しげに眉を下げながらつぶやく亜子ちゃんに力なく頷く。
愛想笑いを浮かべる気力もなかった。
会ったら絶対に海里の話になることはわかっていたけど、1人でいるのは限界だった。
誰かに話を聞いてほしかった。
「亜子も太陽と別れたよ。好きになろうと努力したけど、なれなかった。ごめんって……振られちゃった」
涙交じりに話す亜子ちゃんの顔が見れなくて、膝の上で握り締めた拳に視線を落とす。
亜子ちゃんのツラさが痛いほどわかって胸が苦しい。
「問い詰めたらこうなるってわかってたのに、止められなかった。でも、ずっと苦しかったから……少しだけスッキリしたかな」
そう言って亜子ちゃんは涙を拭った。