情緒不安定なのか、最近風大も泣いてばかりであたしの部屋にやって来ることが多くなった。


正直もう、家の中はぐっちゃぐちゃ。


リビングは荒れ放題だし、ご飯も最近は作っていないのかコンビニ弁当とかお惣菜ばかり。


どんどんやつれていく母親を見て胸が痛むけど、あたしにはどうすることも出来ない。



ーーコンコン



「結愛ちゃん……っ。風くん連れて、ちょっと出て来てくれる?」



いつもなら開かない部屋のドアが、ガチャリと開いた。


不思議に思って目をやると、そこにはボロボロになった母親がいた。


頬は赤く腫れ上がり口から血が出ている。



「な、なにそれっ。広大にやられたの?」



ビックリして思わず大きな声が出る。


だって物には当たっても、今まで手を上げたりなんかしなかったのに。


髪の毛もボサボサに乱れていて、明らかに殴られたんだってことがわかった。


まさか、ここまでするなんて。


反抗期だからって、ひどすぎない?


さすがにこれは黙って見ていられない。



「ち、違うの。止めようとして……偶然当たっただけだから」