「知らないよ、知りたくもない」
浮気してた海里の気持ちなんて。
それにさ、わかってるんだ。
海里の場合は浮気じゃなくて。
「あたしのこと……もう好きじゃないよね?」
だから他の子に目を向けるんでしょ?
笑顔を見せるんでしょ?
わかってた。
好かれてないってこと。
LINEが来なくなった時点で気付いてた。
でも、気付かないフリをしてた。
海里を失いたくなかったから。
1人になりたくなかったから。
わかってる。
あたしは卑怯だったよね。
ズルくて卑怯な女。
でも、それじゃダメだから。
「このままでいるのはツラいし、もうムリだから。あたしとは別れ……っ」
「別れねーよ」
低い声が聞こえた。
いつの間にか海里の手の動きが止まっていて、上に跨ったままじっとあたしを見下ろしている。
その目は何だか切なげで、いつも強気な海里からは想像がつかない。
「なん、で?あたしのこと、嫌いでしょ?」
それなのに、別れないなんて。
期待していた展開と違いすぎる。
あっさり別れを受け入れるタイプだと思っていたのに……。



