もう何度来たかわからない海里の部屋。
いつもと同じように、モスグリーンのカーテンが引かれている。
それだけで懐かしさが込み上げて涙が溢れた。
冷房でキンキンに冷えた部屋は、汗ばんだあたしの体を急激に冷やしていく。
このまま心まで冷やしてくれたらいいのに。
海里に対する気持ちも、冷えてなくなればいい。
そしたら、苦しまないで済むのに。
海里はあたしが来ても顔色ひとつ変えることなく、ベッドに寝転んでスマホをイジっている。
誰と連絡を取ってるかなんて、もう聞いたりはしない。
「座れば?」
「……うん」
そう言われてラグの上に座ろうとすると。
「そっちじゃねーし。こっち来いよ、気が利かねーな」
不機嫌な口調でそう言われた。
クラブで見せたとびっきりの笑顔は、どう頑張ってもあたしには向けられない。
それが虚しかった。
言われるがままにベッドの縁に座ると、そのまま腕を引かれて押し倒される。
「な、なに?」



