「その質問の答え……多分俺らと同じだと思うから、何となく放っておけないんだよな」



なるほど。


同じ匂いってそういうことね。


だからあたしに構うんだ?


不幸せなように見えるから。


それは間違っていないけど、そう見えてしまっていたことが何だか悔しい。


あたしはやっぱり、誰の目から見ても不幸に見えるんだ。


「如月さんは、この世のすべてを信じてないっていう目をしてる。それって、悲しいことだと思わない?」


「じゃあ、長谷川君は信じられるの?」


「信じたいとは思ってるよ。でも、如月さんは違う。最初から全部を諦めてる」


「それがあたしなんだから、いいじゃん。長谷川君にそんなこと言われると、なんかムカつく」


なんでだろう。


わからないけど、すごくイライラする。



「あー、ごめんごめん。俺、思ったことポロッと言っちゃうから」



全然反省するそぶりもなく、長谷川君はあっけらかんと笑う。


そういう態度が余計に気に障るんだってことを、この人はわかってないのかな。