「起立!礼!」
委員長の声はいつも綺麗で透き通る。
(委員長、友達いるのかな…)
とか思いつつも直接聞くのは恥ずかしい。

高校1年生、春。
中学の間は素直じゃない性格が故に最後まで友達が作れなかった。
「高校こそは友達作ろう!私だって友達が要らない訳じゃなーい!」
と張り切った矢先にインフルエンザ。始業式とその後2週間後は欠席となった。

女子とはすぐに群れを作りたがる傾向にある。よって私が初めて学校に行ったときにはもうグループが何個か完成してあった。

(し、しまった…出遅れた!)

これが私の高校プランの結果である。
いくつかのグループに声をかけたときもあった。だが、もう完成したグループには『よそ者は来るな』と言わんばかりに壁を作られた。
これじゃ全く中学の頃と同じ。

(1人でいる子とかもいるんだけどな…)

委員長、月島 杏乃(つきしま あの)と
神崎 六花(かんざき りっか)の2人。

その2人と私はいつもそれぞれ“ ぼっち”だ。

委員長は休み時間とか読書で完全に独りって感じの子だ。
神崎六花って子は名前は分かるけど、いまいち性格とかはよく分からない。
生物管理係という係があるのだが誰もやらないからか、いつも神崎さんが花に水をあげたり生物にエサをあげたりしている。
「はあ…」
女子って面倒臭い。友達、いなくてもいいのかな…。