「あきちゃん、知ってるんや!」
「いや、知ってるってほどは知らんよ。でも噂は聞くから。婚約者もいはるし。」
私がそう言うと、燈子ちゃんは憮然とした。
「なんやそれ。お互いそんなんかいな。好きにしてくれ、やね。あほらし。」
「まあ、そういう世界やしねえ。燈子ちゃんの言うてた通りの『あほぼん』やな。」
燈子ちゃんは、ぎらぎら照りつける太陽を睨みつけてから、諦めたようにため息をついた。
「遥香の幸せは、次の『三太郎』くんに期待しようか。」
二学期が始まった。
行事が多い分、生徒会の雑務が飛躍的に増える。
燈子ちゃんも、文化祭での発表とコンクールの練習が忙しくなり、私たちはバタバタと校舎を走り回る日々が続いた。
「文化祭のチケット、ちょうだい。」
我が校の文化祭は、他校に比べて閉鎖的だ。
家族以外は、在校生1人あたり3枚宛配られるチケットをもらった人しか入れない。
……普段は絶対入れない女子校に堂々と入れるチャンスなので、欲しい人はたくさんいるらしい。
校外活動に忙しい遙香には、チケットを配る友人がいっぱいいるのだろう。
特に使う予定のない私は、遙香にそうお願いされて、3枚とも渡した。
「サンキュー。これで15枚♪」
すごっ!
「そんなに来はるの?『二太郎』くんのお友達?」
驚いてそう聞くと、遙香はぷるぷると首を振った。
「あ、別れた。……まあ、それでも遊び仲間だから来るかもしんない。紹介しよっか?あきちゃん、お茶習ってるし、話、合うかも。」
はっ!?
……私が文化祭の準備に走り回ってる間に、遙香はあっさりと次の人に乗り換えていたらしい。
「いや、遠慮します。それより、今は『三太郎』くん?『四太郎』くん?」
「や~ね。『三太郎』くんよ。今度は長く続くと思う。文化祭で見せたげる♪」
いやいや、それも遠慮します。
……とも言えないので、私は、京都風にやんわり断った。
「楽しみにしてるね。あ、でも、私、生徒会でバタバタしてるかも。時間が合えばよろしくね。」
隣県人の遙香は言葉通り受け取ったようだ。
「一応、夜の遊び仲間、ほとんど来る予定。お楽しみに。」
全然楽しみでもないけど、まあ、本命くん?あ、目標くんだっけ。
彼は、ちょっと楽しみかも。
「はい、練習始めま~す!」
終礼と掃除の後、奈津菜が張り切って仕切り出した。
奈津菜は体育祭の応援団になってしまい、目前の文化祭よりもその一週間後の体育祭に向けて走り回っている。
我が校の体育祭は、学年対抗だ。
当然、応援合戦も学年ごとに行われる。
3年生だけは何十年も昔から伝統のスタイルを継承するが、1,2年生には創意工夫が求められる。
……ま、いずれにしても大変なことには変わりない。
「いや、知ってるってほどは知らんよ。でも噂は聞くから。婚約者もいはるし。」
私がそう言うと、燈子ちゃんは憮然とした。
「なんやそれ。お互いそんなんかいな。好きにしてくれ、やね。あほらし。」
「まあ、そういう世界やしねえ。燈子ちゃんの言うてた通りの『あほぼん』やな。」
燈子ちゃんは、ぎらぎら照りつける太陽を睨みつけてから、諦めたようにため息をついた。
「遥香の幸せは、次の『三太郎』くんに期待しようか。」
二学期が始まった。
行事が多い分、生徒会の雑務が飛躍的に増える。
燈子ちゃんも、文化祭での発表とコンクールの練習が忙しくなり、私たちはバタバタと校舎を走り回る日々が続いた。
「文化祭のチケット、ちょうだい。」
我が校の文化祭は、他校に比べて閉鎖的だ。
家族以外は、在校生1人あたり3枚宛配られるチケットをもらった人しか入れない。
……普段は絶対入れない女子校に堂々と入れるチャンスなので、欲しい人はたくさんいるらしい。
校外活動に忙しい遙香には、チケットを配る友人がいっぱいいるのだろう。
特に使う予定のない私は、遙香にそうお願いされて、3枚とも渡した。
「サンキュー。これで15枚♪」
すごっ!
「そんなに来はるの?『二太郎』くんのお友達?」
驚いてそう聞くと、遙香はぷるぷると首を振った。
「あ、別れた。……まあ、それでも遊び仲間だから来るかもしんない。紹介しよっか?あきちゃん、お茶習ってるし、話、合うかも。」
はっ!?
……私が文化祭の準備に走り回ってる間に、遙香はあっさりと次の人に乗り換えていたらしい。
「いや、遠慮します。それより、今は『三太郎』くん?『四太郎』くん?」
「や~ね。『三太郎』くんよ。今度は長く続くと思う。文化祭で見せたげる♪」
いやいや、それも遠慮します。
……とも言えないので、私は、京都風にやんわり断った。
「楽しみにしてるね。あ、でも、私、生徒会でバタバタしてるかも。時間が合えばよろしくね。」
隣県人の遙香は言葉通り受け取ったようだ。
「一応、夜の遊び仲間、ほとんど来る予定。お楽しみに。」
全然楽しみでもないけど、まあ、本命くん?あ、目標くんだっけ。
彼は、ちょっと楽しみかも。
「はい、練習始めま~す!」
終礼と掃除の後、奈津菜が張り切って仕切り出した。
奈津菜は体育祭の応援団になってしまい、目前の文化祭よりもその一週間後の体育祭に向けて走り回っている。
我が校の体育祭は、学年対抗だ。
当然、応援合戦も学年ごとに行われる。
3年生だけは何十年も昔から伝統のスタイルを継承するが、1,2年生には創意工夫が求められる。
……ま、いずれにしても大変なことには変わりない。



