「彩乃さんは、ワガママですから大変でしょう。」
笑いを納めた後、お家元はそう仰った。
同意するわけにもいかず、私は曖昧に笑って見せる。
「ほほ。よろしいのですよ。そう気を遣わなくても。ごめんなさいね、あなたには苦労かけます。」
お家元が、居まいを正して手をついて頭を下げられたた。
ぎょっとして、私も慌ててきっちり座り直した。
「明子ちゃん。彩乃さんから逃げ出したくなったら遠慮なくお逃げなさいね。でも、もしあの子と共に生きてくださるなら助力を惜しみません。」
「……」
下手にあいずちも打てない。
私は、ため息をついてから、こぼした。
「特に自分を卑下するわけではありませんが、私、彩乃くんには不釣り合いだと思うんです。なのに、彩乃くんの周囲にやたら応援されてるのが、逆に心外です。」
さすがにお家元には、よく思われてないと思ってた。
するとお家元は、お腹を抱えて笑いだした。
「あなたも、やっぱり変わってはるわ。ほんま、おかしいこと。」
やっとそう言って、お家元は立ちあがった。
「彩乃さん来はったえ。明子ちゃん、またお話しましょうね。あ、着物、お家に持って帰るの大変やったら、ここに置いといてもいいんよ?この部屋なら社中さんの目ぇは届きませんから。」
そう言い置いて、お家元はご機嫌さんで笑いながら去って行かれた。
しばらくすると、鴬張りの廊下の鳴き声が聞こえてきた。
確かに彩乃くんだ。
「あき、もう来てたんや。」
ひょいと顔を出した彩乃くんを見て、私はまたドキッ!とした。
……いや、だから心臓に悪いって。
今までと違う彩乃くん。
このお部屋で見ると、ますます別人に感じた。
「わっ!これ、すごい!」
彩乃くんが、私の背後の極楽鳥(ストレチア)を見て声をあげた。
「……好き?」
そう聞くと、彩乃くんはぱあっと顔を輝かせた。
「好き好き!あき、ありがとう~!好きやーっ!」
一瞬、心臓が止まるかと思った。
あかん、ドキドキが止まらない。
……静まれ、私の心臓。
彩乃くんが好きだと言ったのは、私じゃなくて、極楽鳥。
心にそう言い聞かせて、私はうつむいた。
「……それ、そーっと床の間に運んでもろてもいい?そーっとね、倒れるから。」
そうお願いして、私は切り落とした茎を集めて袋に入れて、後片付けをした。
笑いを納めた後、お家元はそう仰った。
同意するわけにもいかず、私は曖昧に笑って見せる。
「ほほ。よろしいのですよ。そう気を遣わなくても。ごめんなさいね、あなたには苦労かけます。」
お家元が、居まいを正して手をついて頭を下げられたた。
ぎょっとして、私も慌ててきっちり座り直した。
「明子ちゃん。彩乃さんから逃げ出したくなったら遠慮なくお逃げなさいね。でも、もしあの子と共に生きてくださるなら助力を惜しみません。」
「……」
下手にあいずちも打てない。
私は、ため息をついてから、こぼした。
「特に自分を卑下するわけではありませんが、私、彩乃くんには不釣り合いだと思うんです。なのに、彩乃くんの周囲にやたら応援されてるのが、逆に心外です。」
さすがにお家元には、よく思われてないと思ってた。
するとお家元は、お腹を抱えて笑いだした。
「あなたも、やっぱり変わってはるわ。ほんま、おかしいこと。」
やっとそう言って、お家元は立ちあがった。
「彩乃さん来はったえ。明子ちゃん、またお話しましょうね。あ、着物、お家に持って帰るの大変やったら、ここに置いといてもいいんよ?この部屋なら社中さんの目ぇは届きませんから。」
そう言い置いて、お家元はご機嫌さんで笑いながら去って行かれた。
しばらくすると、鴬張りの廊下の鳴き声が聞こえてきた。
確かに彩乃くんだ。
「あき、もう来てたんや。」
ひょいと顔を出した彩乃くんを見て、私はまたドキッ!とした。
……いや、だから心臓に悪いって。
今までと違う彩乃くん。
このお部屋で見ると、ますます別人に感じた。
「わっ!これ、すごい!」
彩乃くんが、私の背後の極楽鳥(ストレチア)を見て声をあげた。
「……好き?」
そう聞くと、彩乃くんはぱあっと顔を輝かせた。
「好き好き!あき、ありがとう~!好きやーっ!」
一瞬、心臓が止まるかと思った。
あかん、ドキドキが止まらない。
……静まれ、私の心臓。
彩乃くんが好きだと言ったのは、私じゃなくて、極楽鳥。
心にそう言い聞かせて、私はうつむいた。
「……それ、そーっと床の間に運んでもろてもいい?そーっとね、倒れるから。」
そうお願いして、私は切り落とした茎を集めて袋に入れて、後片付けをした。



