ニュアンスの違いに違和感を覚えつつ
「……私もしつこいけど、彩乃くんもたいがいしつこいよね。」
と言うと、竹原くんは笑った。
「恨みぞ深き、なんやろうね。ま、あきちゃんが間に入ってあげたら、変わるよ。あいつ、情が深いから。」
「私?」
驚いて聞き返すと、竹原くんはうなずいた。
「気負う必要はないけどね。ことお家元に関してだけは彩乃の言葉を鵜呑みにせんと、あきちゃんの目と耳で情報を入れて判断したらええと思うわ。」
あ~……それは、そう思う。
彩乃くん、とりつく島もないもん。
「それはそうと……あきちゃん、来年、生徒会長?」
竹原くんにそう聞かれて、ぎょっとした。
「いやいやいや。決まってないし。たぶん役員は続けることになるやろけど、会長は誰か他の人を頼みたいと思ってるねんけど……」
……思ってるねんけど……結局は私が祭り上げられる可能性は高い。
「竹原くんもするの?スカウトされてるみたいやけど。」
「うん。することになると思う。こんなこと言うと狡猾かもしれんけど、あきちゃんも観念して会長しとき。それだけで箔がつくから。」
竹原くんの言葉に私は首をひねる。
狡猾とも思わないけれど、そもそも私に箔なんか必要ないと思うんやけど。
「何で?箔、いるの?」
そう聞いた私を竹原くんはマジマジと見た。
「……あきちゃんが計算で彩乃を狙ったわけじゃないってわかってたつもりやったけど、こうまで天然なこと言われると、逆に心配になるわ。」
ため息をついて、竹原くんは続けた。
「ごめんやけど、あきちゃん、普通のお家のお嬢さんやんなあ?お父さんが極端に社会的地位が高いとか、お家が代々土地持ちの大金持ち、とかじゃなくて。」
「……うん。サラリーマン家庭。普通の。」
「彩乃が建設会社の跡取りだけならそれでもいいけど、あいつ、同時に日本舞踊の副家元で、ゆくゆくは家元やん?釣り合わへんとか今時そうそう口に出してあからさまには言わんやろけど、せめて社中さんを納得させるモンが必要やと思わん?」
竹原くんの言葉に、今更ながらやっぱり傷つく……けど、現実的に対応してゆくための話をしてくれてるのはわかるので、私はじっと耳を傾けた。
「あきちゃんの付加価値は、名門女子校、華道師範目前、彩乃の大叔母さまに気に入られてること。」
そこまで言って、竹原くんはにっこり笑った。
「充分立派やけど、もっと積み上げへん?生徒会長ってうってつけやと思わん?」
私は首をかしげた。
「生徒会長にそこまでの威力がある?」
聞こえはいいけど、実態はただの雑用係だ。
「世間では、成績優秀、まじめで責任感が強い、って思われるで?内申点も相当上がるし。」
……なるほど。
「わかった。考える。」
「あ、あと、俺もそろそろ昇格しいひん?せめて『義人くん』」
どさくさまぎれにそう言われ、私は特に意味もなくうなずいた。
「……私もしつこいけど、彩乃くんもたいがいしつこいよね。」
と言うと、竹原くんは笑った。
「恨みぞ深き、なんやろうね。ま、あきちゃんが間に入ってあげたら、変わるよ。あいつ、情が深いから。」
「私?」
驚いて聞き返すと、竹原くんはうなずいた。
「気負う必要はないけどね。ことお家元に関してだけは彩乃の言葉を鵜呑みにせんと、あきちゃんの目と耳で情報を入れて判断したらええと思うわ。」
あ~……それは、そう思う。
彩乃くん、とりつく島もないもん。
「それはそうと……あきちゃん、来年、生徒会長?」
竹原くんにそう聞かれて、ぎょっとした。
「いやいやいや。決まってないし。たぶん役員は続けることになるやろけど、会長は誰か他の人を頼みたいと思ってるねんけど……」
……思ってるねんけど……結局は私が祭り上げられる可能性は高い。
「竹原くんもするの?スカウトされてるみたいやけど。」
「うん。することになると思う。こんなこと言うと狡猾かもしれんけど、あきちゃんも観念して会長しとき。それだけで箔がつくから。」
竹原くんの言葉に私は首をひねる。
狡猾とも思わないけれど、そもそも私に箔なんか必要ないと思うんやけど。
「何で?箔、いるの?」
そう聞いた私を竹原くんはマジマジと見た。
「……あきちゃんが計算で彩乃を狙ったわけじゃないってわかってたつもりやったけど、こうまで天然なこと言われると、逆に心配になるわ。」
ため息をついて、竹原くんは続けた。
「ごめんやけど、あきちゃん、普通のお家のお嬢さんやんなあ?お父さんが極端に社会的地位が高いとか、お家が代々土地持ちの大金持ち、とかじゃなくて。」
「……うん。サラリーマン家庭。普通の。」
「彩乃が建設会社の跡取りだけならそれでもいいけど、あいつ、同時に日本舞踊の副家元で、ゆくゆくは家元やん?釣り合わへんとか今時そうそう口に出してあからさまには言わんやろけど、せめて社中さんを納得させるモンが必要やと思わん?」
竹原くんの言葉に、今更ながらやっぱり傷つく……けど、現実的に対応してゆくための話をしてくれてるのはわかるので、私はじっと耳を傾けた。
「あきちゃんの付加価値は、名門女子校、華道師範目前、彩乃の大叔母さまに気に入られてること。」
そこまで言って、竹原くんはにっこり笑った。
「充分立派やけど、もっと積み上げへん?生徒会長ってうってつけやと思わん?」
私は首をかしげた。
「生徒会長にそこまでの威力がある?」
聞こえはいいけど、実態はただの雑用係だ。
「世間では、成績優秀、まじめで責任感が強い、って思われるで?内申点も相当上がるし。」
……なるほど。
「わかった。考える。」
「あ、あと、俺もそろそろ昇格しいひん?せめて『義人くん』」
どさくさまぎれにそう言われ、私は特に意味もなくうなずいた。



