「……恥ずかしい。穴があったら入りたい。」
そう言うと、彩乃くんは笑った。
「今更?アンケート書け!って走って追いかけてきたくせに?」
「あああああ!言わんといてー!」
私はあまりの恥ずかしさに頭を抱えて悶絶した。
「あの時はてっきり俺を覚えててくれて追いかけてきてくれたんやと思ってんけどな。」
追い打ちをかける彩乃くんに、私は何も言い返せない。
「……結局、めっちゃ、あきに振り回されたわ。あきの言動に一喜一憂した。」
え!?
前に竹原くんがそんな風に言うてたけど、信じられへんかった。
ほんまに?
私が、彩乃くんを!?振り回したほうなの?
……いやいやいや。
「彩乃くんが最初から自己紹介してくれてたらよかったのに。」
私はそう言ってみたけど、彩乃くんは肩をすくめた。
「何てゆーねん。『お前、俺のこと覚えてへんくせに俺に気があるってどういうことやねん?俺は、ずっとお前を想ってて逢いたかったのに』……て、いきなり言えると思うか?」
彩乃くんの言葉は本当に難しい。
それが、彼なりの告白だということに私が気づいたのは、かなり時間がたってからだった。
「あき、明日も来るんやろ?」
反応のにぶい私に諦めたらしく、彩乃くんはそう聞いた。
「うん。朝からお手伝いに来る。」
「ほな、遅くなる前に帰ったほうがええな。俺、ちょっとお稽古したいから……待ってたら遅くなるし、先に帰り。」
彩乃くんはそう言ったけど、私は「お稽古」に反応してしまった。
「ちょっとだけ見たい。」
そうお願いすると、彩乃くんは苦笑した。
「俺、集中したら、かまってやれんと思うけど、それでもいいなら。ほんまに『ちょっと』で帰りや。」
きゃーっ!うれしーっ!
私は、何度も首を縦に振った。
彩乃くんに先にお稽古場へ行ってもらい、私は着物を脱いで制服に着替えてから追いかけた。
紋付きの黒い羽織を脱いで、お召しを着流した彩乃くんは、妖しい色気を出しまくって舞っていた。
♪見捨てたまふかつれなやと……♪
何ていう舞踊だろうか。
綺麗だなあ……
彩乃くんは、納得いかないところでは音を止めて、何度も何度も繰り返した。
鏡で確認しては、曲を再び流したり止めたり。
この集中力と熱意、小さい頃も感動してたけど、今は迫力と色気が違う。
ほんとに熱心に取り組んできはってんなあ。
私は、お稽古場の端で、ぽ~っと見とれていた。
そう言うと、彩乃くんは笑った。
「今更?アンケート書け!って走って追いかけてきたくせに?」
「あああああ!言わんといてー!」
私はあまりの恥ずかしさに頭を抱えて悶絶した。
「あの時はてっきり俺を覚えててくれて追いかけてきてくれたんやと思ってんけどな。」
追い打ちをかける彩乃くんに、私は何も言い返せない。
「……結局、めっちゃ、あきに振り回されたわ。あきの言動に一喜一憂した。」
え!?
前に竹原くんがそんな風に言うてたけど、信じられへんかった。
ほんまに?
私が、彩乃くんを!?振り回したほうなの?
……いやいやいや。
「彩乃くんが最初から自己紹介してくれてたらよかったのに。」
私はそう言ってみたけど、彩乃くんは肩をすくめた。
「何てゆーねん。『お前、俺のこと覚えてへんくせに俺に気があるってどういうことやねん?俺は、ずっとお前を想ってて逢いたかったのに』……て、いきなり言えると思うか?」
彩乃くんの言葉は本当に難しい。
それが、彼なりの告白だということに私が気づいたのは、かなり時間がたってからだった。
「あき、明日も来るんやろ?」
反応のにぶい私に諦めたらしく、彩乃くんはそう聞いた。
「うん。朝からお手伝いに来る。」
「ほな、遅くなる前に帰ったほうがええな。俺、ちょっとお稽古したいから……待ってたら遅くなるし、先に帰り。」
彩乃くんはそう言ったけど、私は「お稽古」に反応してしまった。
「ちょっとだけ見たい。」
そうお願いすると、彩乃くんは苦笑した。
「俺、集中したら、かまってやれんと思うけど、それでもいいなら。ほんまに『ちょっと』で帰りや。」
きゃーっ!うれしーっ!
私は、何度も首を縦に振った。
彩乃くんに先にお稽古場へ行ってもらい、私は着物を脱いで制服に着替えてから追いかけた。
紋付きの黒い羽織を脱いで、お召しを着流した彩乃くんは、妖しい色気を出しまくって舞っていた。
♪見捨てたまふかつれなやと……♪
何ていう舞踊だろうか。
綺麗だなあ……
彩乃くんは、納得いかないところでは音を止めて、何度も何度も繰り返した。
鏡で確認しては、曲を再び流したり止めたり。
この集中力と熱意、小さい頃も感動してたけど、今は迫力と色気が違う。
ほんとに熱心に取り組んできはってんなあ。
私は、お稽古場の端で、ぽ~っと見とれていた。



