さて。
両親も師も、師の師もまだまだ来ないだろう。
せっかく時間があるので、私はお庭を散策させていただいた。
お家元は門跡寺院で、建物もお庭も趣向を凝らして素晴らしい。
特に、池に張り出した松の枝は見事で、まるで大きなお流儀花の象徴のようだ。
「綺麗……」
思わずそうつぶやいて、これも撮影しようと携帯のカメラを向けた。
「すばらしいね。」
後ろからそう言われて振り向くと、セルジュ、竹原くん、そして彩乃くん!
「……テスト前やのに、来てくれたんや……」
うわ、思った以上にうれしい。
「特にセルジュ、遠いのに。」
「うん、テスト前だから、一昨日から義人の家に泊まってる。一応試験勉強の名目で。」
天使の笑顔に私は、へら~っと頬を緩ませる。
「あ、ほなこれお茶席券、あげる~。10時からやけど。」
そう言いながら、懐中からお茶席券を3枚出すと
「いや、俺はすぐ出るから。」
と、彩乃くんに断られた。
「俺らだけもらおうっと。2枚。ありがと。はい、これ、楽屋見舞でいいのかな?差し入れ。」
竹原くんがそう言って、私に可愛いラッピングの袋をくれた。
「ありがとう。あ、じゃ、見てくれる?私の活(い)けたん。」
そう言って、会場に案内した。
「さっき、画像送信してん。」
こっそり彩乃くんにそう言うと、
「見た。でも来てよかった。お前、花の写真しか送る気なかったやろ。」
とニヤリと笑われた。
「うん?」
「……あほやな。せっかく振袖着てるのに。」
また、あほって言われてしまった。
でも、やっぱりうれしい。
「馬子にも衣装?」
そう聞くと、彩乃くんは
「いや、かわいいよ。」
と、茶化さず言った。
……聞いた私のほうが赤くなってしまった。
彩乃くんはほんの5分ほどで行ってしまったけど、セルジュと竹原くんは午前中ずっと居てくれてた。
ほぼ女性ばかりなので、彼らは相当目立ち、かなりちやほやされていた。
うちの母や師も舞い上がって挨拶していた。
……しかし誰からも「彼氏?」とは聞かれなかったのはなぜだろう。
華展の翌日から、中間テストが始まった。
テスト期間中は、2時間目もしくは3時間目からの開始なのでゆっくり登校すればいいのだが……私は中学の時からいつも通りの時間に行く習慣がついていた。
テスト前の独特のピリピリした空気の中だと、頭が冴えて暗記もはかどる気がする。
彼ら3人にそんなことを言ったところ
「お、一緒。俺もテストん時もいつも通りねん。待ってくれてる子らに悪いから。」
と、竹原くんらしい返答に笑ったけれど、こう続けられて固まった。
「セルジュは遠いからギリギリにしか来んし、彩乃も時間遅らせるから……明後日から2人きりやね。」
両親も師も、師の師もまだまだ来ないだろう。
せっかく時間があるので、私はお庭を散策させていただいた。
お家元は門跡寺院で、建物もお庭も趣向を凝らして素晴らしい。
特に、池に張り出した松の枝は見事で、まるで大きなお流儀花の象徴のようだ。
「綺麗……」
思わずそうつぶやいて、これも撮影しようと携帯のカメラを向けた。
「すばらしいね。」
後ろからそう言われて振り向くと、セルジュ、竹原くん、そして彩乃くん!
「……テスト前やのに、来てくれたんや……」
うわ、思った以上にうれしい。
「特にセルジュ、遠いのに。」
「うん、テスト前だから、一昨日から義人の家に泊まってる。一応試験勉強の名目で。」
天使の笑顔に私は、へら~っと頬を緩ませる。
「あ、ほなこれお茶席券、あげる~。10時からやけど。」
そう言いながら、懐中からお茶席券を3枚出すと
「いや、俺はすぐ出るから。」
と、彩乃くんに断られた。
「俺らだけもらおうっと。2枚。ありがと。はい、これ、楽屋見舞でいいのかな?差し入れ。」
竹原くんがそう言って、私に可愛いラッピングの袋をくれた。
「ありがとう。あ、じゃ、見てくれる?私の活(い)けたん。」
そう言って、会場に案内した。
「さっき、画像送信してん。」
こっそり彩乃くんにそう言うと、
「見た。でも来てよかった。お前、花の写真しか送る気なかったやろ。」
とニヤリと笑われた。
「うん?」
「……あほやな。せっかく振袖着てるのに。」
また、あほって言われてしまった。
でも、やっぱりうれしい。
「馬子にも衣装?」
そう聞くと、彩乃くんは
「いや、かわいいよ。」
と、茶化さず言った。
……聞いた私のほうが赤くなってしまった。
彩乃くんはほんの5分ほどで行ってしまったけど、セルジュと竹原くんは午前中ずっと居てくれてた。
ほぼ女性ばかりなので、彼らは相当目立ち、かなりちやほやされていた。
うちの母や師も舞い上がって挨拶していた。
……しかし誰からも「彼氏?」とは聞かれなかったのはなぜだろう。
華展の翌日から、中間テストが始まった。
テスト期間中は、2時間目もしくは3時間目からの開始なのでゆっくり登校すればいいのだが……私は中学の時からいつも通りの時間に行く習慣がついていた。
テスト前の独特のピリピリした空気の中だと、頭が冴えて暗記もはかどる気がする。
彼ら3人にそんなことを言ったところ
「お、一緒。俺もテストん時もいつも通りねん。待ってくれてる子らに悪いから。」
と、竹原くんらしい返答に笑ったけれど、こう続けられて固まった。
「セルジュは遠いからギリギリにしか来んし、彩乃も時間遅らせるから……明後日から2人きりやね。」



