「……どしたん?」
やっとそう聞いたら、彩乃くんは
「文句、言いに来た。」
と言った。
文句?
あ、急に登校時の電車に合流したこと、彩乃くん的にはうざかったんかな。
そっか……だから、口きいてくれへんくなったんか。
失敗しちゃった。
しょんぼりしてうつむいていると、
「携帯。」
と、彩乃くんが言った。
「え?」
「出して。」
……あのポスター画像が気に入らないとか?
いや、私が入れてることなんか、彩乃くんは知らないはず。
よくわからないまま、私はかばんの中から携帯電話を出した。
「赤外線。」
彩乃くんがそう言いながら、自分の携帯を出して操作する。
「……へ?」
アドレス交換?
言われるがままに操作して、お互いの番号とメールアドレスを登録し合った。
うれしい……。
口元が緩んでくるのを意識しておさえていると、彩乃くんも満足そうにうなずいて、踵を返した。
「じゃ、行くわ。」
え!?
「あの、文句は?」
何か怒ってるんやったら教えてほしい。
慌ててそう聞くと、彩乃くんはぐっと口をへの字に結び、視線をそらした。
「……ごめん、もう朝、寄せてもらわへんほうがいいよね?」
私のほうからそう言うと、彩乃くんは私を見て口を開いた。
「お前が居心地悪いんやったら、やめたらいい。好きにせぇや。」
突き放されたような気がして苦しくなる。
「私は……」
何か言わなきゃ、って思うのに、胸が痛くて抑えることしかできない。
「勘違いしてる。俺が言いたかったのは!お前のっ!!」
彩乃くんは、強くなった語気に自分で驚いたらしく、しばしの沈黙の後、静かに言った。
「何で、義人がお前のアドレス知ってるねん。」
え?
それ?
「何で、お前……いつの間に『あきちゃん』『あきらけいこ』って、いきなり馴れ馴れしく呼ばれてるねん。」
……それはあの2人がフレンドリーだから……てか、彩乃くんもこないだ「あき」って呼んでたやん。
あれ?
もしかして、それって2人への対抗意識?
それで、わざわざアドレス交換しに来てくれたの?
それで、いきなり「あき」って呼んだの?
「どうしよう……怒られて、うれしい……」
胸がいっぱいになって、やっと出た言葉はそんなのだったけど、彩乃くんはふっと表情をやわらげた。
「あほか。そんなんやからあいつらにいいように操れるねん。外野は無視したらええ。」
外野……。
じゃあ、彩乃くんは、自分と私とを主体に捉えて考えてくれている?
頭がぼーっとしてきた。
やばい。
また、自分の中に自惚(うぬぼ)れモードがむくむくと頭をもたげる。
やっとそう聞いたら、彩乃くんは
「文句、言いに来た。」
と言った。
文句?
あ、急に登校時の電車に合流したこと、彩乃くん的にはうざかったんかな。
そっか……だから、口きいてくれへんくなったんか。
失敗しちゃった。
しょんぼりしてうつむいていると、
「携帯。」
と、彩乃くんが言った。
「え?」
「出して。」
……あのポスター画像が気に入らないとか?
いや、私が入れてることなんか、彩乃くんは知らないはず。
よくわからないまま、私はかばんの中から携帯電話を出した。
「赤外線。」
彩乃くんがそう言いながら、自分の携帯を出して操作する。
「……へ?」
アドレス交換?
言われるがままに操作して、お互いの番号とメールアドレスを登録し合った。
うれしい……。
口元が緩んでくるのを意識しておさえていると、彩乃くんも満足そうにうなずいて、踵を返した。
「じゃ、行くわ。」
え!?
「あの、文句は?」
何か怒ってるんやったら教えてほしい。
慌ててそう聞くと、彩乃くんはぐっと口をへの字に結び、視線をそらした。
「……ごめん、もう朝、寄せてもらわへんほうがいいよね?」
私のほうからそう言うと、彩乃くんは私を見て口を開いた。
「お前が居心地悪いんやったら、やめたらいい。好きにせぇや。」
突き放されたような気がして苦しくなる。
「私は……」
何か言わなきゃ、って思うのに、胸が痛くて抑えることしかできない。
「勘違いしてる。俺が言いたかったのは!お前のっ!!」
彩乃くんは、強くなった語気に自分で驚いたらしく、しばしの沈黙の後、静かに言った。
「何で、義人がお前のアドレス知ってるねん。」
え?
それ?
「何で、お前……いつの間に『あきちゃん』『あきらけいこ』って、いきなり馴れ馴れしく呼ばれてるねん。」
……それはあの2人がフレンドリーだから……てか、彩乃くんもこないだ「あき」って呼んでたやん。
あれ?
もしかして、それって2人への対抗意識?
それで、わざわざアドレス交換しに来てくれたの?
それで、いきなり「あき」って呼んだの?
「どうしよう……怒られて、うれしい……」
胸がいっぱいになって、やっと出た言葉はそんなのだったけど、彩乃くんはふっと表情をやわらげた。
「あほか。そんなんやからあいつらにいいように操れるねん。外野は無視したらええ。」
外野……。
じゃあ、彩乃くんは、自分と私とを主体に捉えて考えてくれている?
頭がぼーっとしてきた。
やばい。
また、自分の中に自惚(うぬぼ)れモードがむくむくと頭をもたげる。



