結婚式が終わると、私たちはお家元とご一緒に新居となる家元屋敷へと一旦帰りつく。
一息つく間もなく訪問着に着替えて、彩乃くんと2人でお赤飯とお菓子を携えてご近所のお屋敷へ挨拶に回った。
色んな芸事のお家元が多い地区なので、普通より範囲を広げて回らせていただいた。
……つ、疲れた。
「ほんなら、燈子ちゃんはゴールデンウィークが終わったら、渡米ですか。淋しゅうなりますねえ。」
お家元、いや、おばあさま……あ、でも戸籍上は今日から義母になったけど、家では「おばあさま」とお呼びさせてもらおう……が、準備してくださっていたお味噌汁とお漬物数種類でお茶漬けの夕食。
「そうなんですよ。うちらの結婚式まで待ってくれてて。それにゴールデンウィークが終わったら飛行機代もかなり安くなるみたいです。」
奈津菜の嫁ぎ先が懇意にしてるという、無添加にこだわったお漬物屋さんのどぼ漬けは、確かにお茶漬けに最高だ。
糠の香りと酸味が心地いい胡瓜を囓りながら、私はそう返事をする。
彩乃くんは、遙香が金沢土産にくれた「かぶらずし」が気に入ったようで、お酒を所望した。
「これ、旨いわ。」
「うん、食べて食べて。それも無添加で日持ちせぇへんらしいし。」
「へえ~。みんな、こだわってはるねえ。」
……大らかなおばあさまは、そのあたりはあまりこだわってらっしゃらないらしい。
「そうですねえ。でも私もちょっと気になりはじめてるんですよ。もし授かった子供が白粉(おしろい)のアレルギーを発症したら、舞台化粧大丈夫やろか?とか。身体にいいわけかないなら、添加物、なるべく避けたほうがいいのかな、とか。」
私の言葉で、おばあさまは、パッと顔を上げて真剣な顔になった。
「それは困ります!そうですか~。でも確かに、彩乃さんはハウスダスト、明子ちゃんは花粉症やもんねえ。ほんなら、私もちょっと気ぃつけるようにしますわ。」
おばあさまと私があまりにもマジなので、彩乃くんは苦笑いしていた。
夕食後、私と彩乃くんは披露宴をしたホテルへと戻った。
スイートルームを準備していただいてるので、まあ、初夜ということで。
いわゆる新婚旅行には、今のところ行く予定はない。
彩乃くんは、4月から日中は実家の建設会社で仕事を始めたばかり。
夜はお家元で教えてるから、すごく忙しそう。
慣れない現場や図面と悪戦苦闘していて可哀想なぐらい。
そんな彩乃くんに「新婚旅行、どこ行く?」とは言えなかった。
まあ、落ち着いたらまたどこでも行ける。
一息つく間もなく訪問着に着替えて、彩乃くんと2人でお赤飯とお菓子を携えてご近所のお屋敷へ挨拶に回った。
色んな芸事のお家元が多い地区なので、普通より範囲を広げて回らせていただいた。
……つ、疲れた。
「ほんなら、燈子ちゃんはゴールデンウィークが終わったら、渡米ですか。淋しゅうなりますねえ。」
お家元、いや、おばあさま……あ、でも戸籍上は今日から義母になったけど、家では「おばあさま」とお呼びさせてもらおう……が、準備してくださっていたお味噌汁とお漬物数種類でお茶漬けの夕食。
「そうなんですよ。うちらの結婚式まで待ってくれてて。それにゴールデンウィークが終わったら飛行機代もかなり安くなるみたいです。」
奈津菜の嫁ぎ先が懇意にしてるという、無添加にこだわったお漬物屋さんのどぼ漬けは、確かにお茶漬けに最高だ。
糠の香りと酸味が心地いい胡瓜を囓りながら、私はそう返事をする。
彩乃くんは、遙香が金沢土産にくれた「かぶらずし」が気に入ったようで、お酒を所望した。
「これ、旨いわ。」
「うん、食べて食べて。それも無添加で日持ちせぇへんらしいし。」
「へえ~。みんな、こだわってはるねえ。」
……大らかなおばあさまは、そのあたりはあまりこだわってらっしゃらないらしい。
「そうですねえ。でも私もちょっと気になりはじめてるんですよ。もし授かった子供が白粉(おしろい)のアレルギーを発症したら、舞台化粧大丈夫やろか?とか。身体にいいわけかないなら、添加物、なるべく避けたほうがいいのかな、とか。」
私の言葉で、おばあさまは、パッと顔を上げて真剣な顔になった。
「それは困ります!そうですか~。でも確かに、彩乃さんはハウスダスト、明子ちゃんは花粉症やもんねえ。ほんなら、私もちょっと気ぃつけるようにしますわ。」
おばあさまと私があまりにもマジなので、彩乃くんは苦笑いしていた。
夕食後、私と彩乃くんは披露宴をしたホテルへと戻った。
スイートルームを準備していただいてるので、まあ、初夜ということで。
いわゆる新婚旅行には、今のところ行く予定はない。
彩乃くんは、4月から日中は実家の建設会社で仕事を始めたばかり。
夜はお家元で教えてるから、すごく忙しそう。
慣れない現場や図面と悪戦苦闘していて可哀想なぐらい。
そんな彩乃くんに「新婚旅行、どこ行く?」とは言えなかった。
まあ、落ち着いたらまたどこでも行ける。



