次に目が覚めたのは……えーと、この障子は、彩乃くんのお部屋。
お布団を敷いて運んでくれたらしく、私はふかふかの羽毛布団にくるまれて横臥していた。
「彩乃くんは……?」
「ああ。起きた?」
私のつぶやきに、背後、それもすぐ耳元で彩乃くんが返事してくれた。
近っ!
寝返りをうつと、目の前に彩乃くんの艶っぽい唇。
キューン!
……どうやら、また簀巻きにされた状態で彩乃くんと同衾してるらしい。
「あの……何時?」
彩乃くんは、上半身を片肘ついてやや起こすと携帯を見た。
浴衣の胸元がはだけて、白い肌がなまめかしい。
思わず自分の胸元を見たよ……ブレザーは着てないけど、ブラウスとスカートは制服のままだ……そりゃそうか。
「23時。びっくりしたわ。あき、目の焦点が合わんくなって落ちたで。たぶん空腹と血行不良で貧血なったんちゃう?……気持ち悪くないか?」
思い当たる節がありすぎて、私は赤くなってうなずいた。
「ごめん。迷惑かけちゃったんやね。」
「いや、俺のほうこそ。待たせ過ぎたんやわ。ごめんな。とりあえず、何か食って、何か飲んで。」
彩乃くんがそう言いながら、お盆を突き出した。
おにぎり、サンドイッチ、ゼリー、バナナ、牛乳、水、炭酸水、コーラなどなどが山盛りだ。
「ほな、バナナ。」
消化吸収がよくて栄養価が高そうなので、私はそう言って手を出そうとモゾモゾした。
けど、彩乃くんはさっさとバナナを取って皮をむくと、私の口元に突き出した。
……介護?
ためらいがちに口を開いてバナナを一口。
まろやかな優しい甘みが口中に広がる。
「おいしい。」
彩乃くんは、ほっとしたように笑った。
「よかった。……水分も。何がいい?」
栄養価を優先すると牛乳なんだろうけど、炭酸水を所望した。
パシュッと、小気味のいい音をさせて、彩乃君くんが蓋を開けて、ストローをさした。
至れり尽くせり。
「ありがとう。人心地ついたかも。」
「喰えるならもっと喰うとき。心配やし。」
彩乃くんの気持ちが温かくて、幸せ。
「あき。ごめんな。ほんまは今日は遠出しようかと思ってたのに。俺、お稽古はじめたら止まらんくなっててんな。」
彩乃くんが私の髪を撫でてくれるのがあまりにも心地よくて、私はぽーっとして聞いていた。
「どこ行くつもりやったん?海辺?高原?温泉?」
ロマンティストと揶揄され続けている彩乃くんは、苦笑した。
「……キャンセル料かからへんかったらいいけど。」
重ねてそう言うと、彩乃くんは肩をすくめた。
「それはええねん、大丈夫。……ほんまは……行き先も、あきに選んでもろて、夕方出るつもりやった。」
選ぶ?決まってへんの?
「……これ。」
ためらいがちに彩乃くんが見せてくれたのは、全国展開する会員制リゾートホテルの宿泊券だった。
お布団を敷いて運んでくれたらしく、私はふかふかの羽毛布団にくるまれて横臥していた。
「彩乃くんは……?」
「ああ。起きた?」
私のつぶやきに、背後、それもすぐ耳元で彩乃くんが返事してくれた。
近っ!
寝返りをうつと、目の前に彩乃くんの艶っぽい唇。
キューン!
……どうやら、また簀巻きにされた状態で彩乃くんと同衾してるらしい。
「あの……何時?」
彩乃くんは、上半身を片肘ついてやや起こすと携帯を見た。
浴衣の胸元がはだけて、白い肌がなまめかしい。
思わず自分の胸元を見たよ……ブレザーは着てないけど、ブラウスとスカートは制服のままだ……そりゃそうか。
「23時。びっくりしたわ。あき、目の焦点が合わんくなって落ちたで。たぶん空腹と血行不良で貧血なったんちゃう?……気持ち悪くないか?」
思い当たる節がありすぎて、私は赤くなってうなずいた。
「ごめん。迷惑かけちゃったんやね。」
「いや、俺のほうこそ。待たせ過ぎたんやわ。ごめんな。とりあえず、何か食って、何か飲んで。」
彩乃くんがそう言いながら、お盆を突き出した。
おにぎり、サンドイッチ、ゼリー、バナナ、牛乳、水、炭酸水、コーラなどなどが山盛りだ。
「ほな、バナナ。」
消化吸収がよくて栄養価が高そうなので、私はそう言って手を出そうとモゾモゾした。
けど、彩乃くんはさっさとバナナを取って皮をむくと、私の口元に突き出した。
……介護?
ためらいがちに口を開いてバナナを一口。
まろやかな優しい甘みが口中に広がる。
「おいしい。」
彩乃くんは、ほっとしたように笑った。
「よかった。……水分も。何がいい?」
栄養価を優先すると牛乳なんだろうけど、炭酸水を所望した。
パシュッと、小気味のいい音をさせて、彩乃君くんが蓋を開けて、ストローをさした。
至れり尽くせり。
「ありがとう。人心地ついたかも。」
「喰えるならもっと喰うとき。心配やし。」
彩乃くんの気持ちが温かくて、幸せ。
「あき。ごめんな。ほんまは今日は遠出しようかと思ってたのに。俺、お稽古はじめたら止まらんくなっててんな。」
彩乃くんが私の髪を撫でてくれるのがあまりにも心地よくて、私はぽーっとして聞いていた。
「どこ行くつもりやったん?海辺?高原?温泉?」
ロマンティストと揶揄され続けている彩乃くんは、苦笑した。
「……キャンセル料かからへんかったらいいけど。」
重ねてそう言うと、彩乃くんは肩をすくめた。
「それはええねん、大丈夫。……ほんまは……行き先も、あきに選んでもろて、夕方出るつもりやった。」
選ぶ?決まってへんの?
「……これ。」
ためらいがちに彩乃くんが見せてくれたのは、全国展開する会員制リゾートホテルの宿泊券だった。



